今日は昨日に引き続きポリティカルに知的にボノの講演会に行ってきました。ボノはUKロックの大御所U2のボーカリストで国際貢献活動に積極的に参加していて、ロックスターでありながら国連事務総長やローマ法王と会談して、ブッシュにアフリカへの援助金を増額させたり、債務を放棄させたりしているすごい人なのです。音楽と政治を結びつける仕事が将来できないかと考えている私にとって高校のときからの憧れのまさにカリスマのような人だったりします。それが我らがポートランドに来るなんて!実に23年ぶりの滞在らしい。前にライブしに来たときは客が数人しかいなかったんだよーなんて話してました。それが今じゃ歌いもしないで講演しにきてるのに数千人も動員しちゃうスター。講演の内容はアフリカの貧困とエイズと債務と貿易についてと、自分がしてきたこと、みんなに考えてもらいたいこと。
お客さんも盛り上がってちょっと拍手しすぎなんじゃないかっていうくらいいちいち発言に反応して拍手をしていた。しかし、同じ政治的な講演会でも昨日のムーアと今日のボノは全く違っていた。ボノは中立的な姿勢をとっていて、「ケリーとブッシュどっちに投票したいですか?(アイルランド人だから投票権ないけどね)」っていう質問にも、それは答えられないっていっていたし、ブッシュに対しても批判めいたことはほとんど口にしなかった。むしろブッシュはアフリカへの援助を増額してくれたって言ってフォローしていたくらい。ま、お世話になってるしね。それにしゃべる言葉もムーアと違ってとてもきれいで上品な英語をつかっていた。ムーアはスラング多かったからなぁ。また、観客層も、ムーアはちょっと学生か左翼ちっくな活動家が多かったのに対して、ボノは裕福そうな30,40代の人がメイン客層だった。もっとロック好きな若者が多いかと思ったのだけど。
それにしても、私は今日改めて悟った。
ミュージシャンは歌ってなんぼだと。ボノが一時間以上かけてしゃべるよりも、一曲歌ったほうがどれだけ人の心を動かすだろうか。話した内容はとても分かりやすかったけれど、ほとんど既に知っていることだったし、なんだか抽象的な話ばかりでもっと踏み込んだ具体的な話をしてくれればよかったのになぁ、とか。それよりも、例えばU2が北アイルランドでの紛争に心を痛めて作った名曲"Sunday Bloody Sunday"はアイルランド紛争が終わったあとしばらくライブで歌われることはなくなっていたのに、各地で戦争が起こっている今また歌い始めて、世界が平和になるまで歌い続けるんだ、とかそう言うエピソードのほうがよっぽど心にぐっとくるのよね。
I can't believe the news today
I can't close my eyes and make it go away.
How long, how long must we sing this song?
How long, how long?
'Cos tonight
We can be as one, tonight.
/Sunday Bloody Sunday
要するに、U2来日ライブしないかなって言う話でした(違う)。
ニューアルバム11月17日日本先行発売です。
http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/u2/
ブッシュがこの曲を歌ってるリミックス(笑)よくつくったなぁ。本物はもっといい曲よ。
http://www.audiostreet.net/artists/006/407/song_sunday_bloody_sunday.html